タレントマネジメントが支える経営改革

企業 アセア・ブラウン・ボベリ(ABB)
経営層の強いコミットメントの下での徹底したタレントマネジメントは、経営改革やイノベーションを支え、グローバル競争力の維持に貢献しています。

1.背景

同社は、スイスに本社を置き、100カ国以上の拠点に14万人の従業員を擁するグローバル企業です。電力技術部門と工業・商業分野向けのオートメーション技術部門を軸に、環境分野を中心に、さまざまなイノベーションを起こしています。

2001年に経営危機に陥り、事業の再構築と戦略の転換を行いましたが、この大改革を支えたのはタレントマネジメントのしくみでした。

2.取り組み内容

同社は、機能別に定義したコンピテンシーに基づいて、全従業員の詳細なアセスメントを行っています。コンピテンシーをどれだけ満たし発揮しているか、志、ラーニングアビリティ、キャリア志向などをベースにハイポテンシャル人材を見極め、この中でグローバルリーダーになり得る人材を「タレント」と定義しています。
アセスメントは、3時間に及ぶインタビューを通して行われます。

特にシニアレベルのタレントについては、年に数回CEOを含むエグゼクティブコミッティーで丸一日かけて、タレントのレビューセッションを実施し、各事業部のリーダーが自部門のタレントが、どんなポジションでどんな職務を担っているのか、ディベロップメントプランはどうなっているのか、どんなアサインが望ましいかについて共有し、そのプランが実行されているかどうかについて、質の高い議論がなされています。

また、これによって、タレントの可視化もできています。世界中にどんなタレントがいて、そのタレントがどんな国のどんな機能を担えるのかを把握しているので、重要なポジションに空席が出た場合に、短期間で世界中から適材を探し出すことができます。

3.導入結果

2001年に経営危機に陥った際に、同社は多くの事業売却と買収によって、事業構造の変換を行いました。
経営改革にあたって同社が行ったことは、買収先も含めた世界中の組織にタレントマネジメントを導入し、共通言語で選抜を行える土壌をつくることでした。この土壌があったからこそ、事業再編後の企業文化改革の際に、それまでの上位下達、指揮命令型の組織から、他者を尊重し、活発なコミュニケーションを行う文化への変革をスムースに行うことができたのです。この改革を通して培ったイノベーションを大切にする企業文化が、現在同社を牽引している様々な技術分野でのイノベーションに繋がっています。

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