組織開発導入のポイント

「組織開発に注力しているが、いまひとつ手ごたえが感じられない」というご担当者の声を聞くことがあります。組織開発は長期間にわたって辛抱強く取り組んではじめて、じわじわと効果が見えてくる性質のものですので、組織や人の変化をすぐに感じることは難しいかもしれません。だからこそ、導入にあたっての綿密な計画や、取り組み途中の状況に応じてアプローチや手法を選択していくプロセスが、組織開発の肝となります。ここでは組織開発導入にあたっての3つのポイントを解説します。

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  • マネジメントの強いコミットメント

組織開発の成否を左右するのは、企業がめざす組織の姿と、どのような人材に、どのような働き方をしてもらいたいのか、を明確に示し、組織に属する人々の理解を得ながら、様々な取り組みを推進していけるかどうかです。

別の言い方をすると、社長をはじめとするマネジメントが、組織開発に価値を感じ、全面的にバックアップしなければ、組織開発は形骸化してしまうでしょう。

社長や取締役が組織開発の推進責任者を兼務する、もしくは、外部の専門家のサポートを得る等して、社長をはじめとするマネジメントの組織開発への理解と長期的なコミットメントを引き出してから、組織開発に取り組んでいきましょう。

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  • 適切なツール選択と専門家の登用

「組織開発」という言葉は近年日本でも浸透しつつあり、「組織開発○○」という文字をウェブサイトや書籍等でよく見かけるようになりました。組織開発についてたくさんの情報を得られるようになった反面、情報やツールを吟味することが必要だといえるでしょう。

「組織開発は戦略だといわれてもぴんとこない」、「組織開発って、研修をすることなのでしょう」という声を聞くことがあります。これは、組織開発が経営目標や戦略と連動していないことや、パッケージ研修をそのまま実施している企業が多いことの表れかと思います。

「研修は代表的な組織開発のツールですが、他にも、就業規則(コラム:就業規則を通じて会社のメッセージを発信する)、人事制度、座席の配置、部門の呼称など、組織と人事に関係するものはすべて、組織開発推進のツールとして活用することができます。

また、パッケージ研修も、講師のファシリテーション、参加者の組み合わせ、研修実施前後に本人や上司に対して意識付けおこなう等の工夫を行うことで、組織開発のツールへと変わっていきます。

取り組みを組織開発のツールとして適切に機能させるためには、全体を俯瞰しながら、取り組みを推進できるスキルを備えた担当者が必要です。

これから組織開発に取り組もうとする企業においては、社内に組織開発の専門家はいないというのが実情でしょう。組織開発が社内に根付くまで、そして社内専門家が育つまでの間は、豊富な知見を持つ外部専門家を上手く活用しながら、組織開発に取り組んで行くことが、成功のための要諦となります。

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  • 変化への抵抗に対するマネジメント

組織開発は、組織と人に変化を求める取り組みです。

変化の起こるところには、必ず抵抗が生じます。人は変化を受容して環境に適応するまでに、5つの段階を経るという研究結果があります。

変化受容までの5段階

第1段階

否定

「そんなことは起こらないから大丈夫」と自分に言い聞かせる
第2段階

怒り

本当に変化が起きたことに対して怒りを感じる
第3段階

分析

これから起こる変化を予測し、対応について考えを巡らす
第4段階

受容する努力

現実として受け止め、適応することを試みる
第5段階

コミットメントと成長

変化の良い点を見出し、前向きになる
変化受容までの5段階

組織開発は、変化への抵抗を、組織の方向性や自分自身に求められるものを考える機会として、逆に活用しながら「組織」を作っていきます。

しかし、変化を起こす取り組みの65%は、失敗に終わっているという調査結果があります。

せっかくの取り組みを失敗に終わらせないために、組織と社員の反応を十分にモニタリングしながら、都度、適切な打ち手を講じることが重用です。(コラム:変革への抵抗にどう対応するか?

組織開発の実施にあたっては、「導入編」を参考にしてください。
  • 「導入編」STEP.1 目標の設定へ>