人事制度による合併後の新しい企業文化づくり

組織風土

テーマ 組織風土
企業 情報通信業
事業分野拡大を目指して、伝統企業がベンチャー企業の買収をおこないました。新組織の企業文化を創ることを目的に、「組織のあるべき姿」と両社の現行の人事制度、業界ベンチマークを比較検証して、新人事制度の方針を設定しました。そしてそれを社員に根気強くメッセージとして発信して理解を得ることで、新しい組織文化の醸成に成功しました。

1.背景

事業分野拡大を目指して、伝統企業がベンチャー企業の買収をおこないました。買収元の伝統ある企業は、顧客ニーズの変化や技術革新の早い情報通信業界においては、チャレンジを恐れない気風がなによりも大切であり、同社のコンサバティブな社風から同社の技術力を活かしきれず、新事業展開の上で、新興企業に先を越されているという危機感を持っていました。

また、今回の合併は、買収先企業の高い技術力を評価してのものであったため、買収先企業の社員に新会社に留まってもらうこと、長期間働くことのモチベーションづけも新会社の成功にはかかせないものでした。

2.取り組み内容

新会社の「あるべき姿」を描くことから着手しました。
合併の目的、合併に至るまでの双方の思い、両社それぞれのコアコンピタンスを洗い出し、そこから、新会社の社員に求める働き方、マインドセット、スキルを明確にしていきました。

その上で、新会社の「あるべき姿」と両社の現行の人事制度、業界ベンチマークを比較検証し、新人事制度の方針を設定しました。

新人事制度の方針に基づき、業界上位水準の処遇レベル、当時は先進的であったテレワークによる裁量度の高い働き方の実現、出張旅費には上限を設けず実費精算とし、担当しているビジネスやプロジェクトの会社への貢献度を勘案して、自分で利用する航空機の座席やホテルのクラスを判断する等の人事制度の詳細を決定していきました。

この新人事制度を通じて、自立型人材の集まる組織であること、高いスキルと業績に対して厚遇すること、社員は高い裁量度を与えられる反面それに伴う大きな責任も伴うことをメッセージとして伝えることを意図しました。

3.導入結果

新組織の目指す方向性が明確に反映された人事制度は、社員に大変好意的に受け取られました。

特に買収先の社員は、伝統的な大企業のやり方を強制されるのではないかという不安を持っていましたが、その不安は一掃され、買収先企業と社員の技術を高く評価しての合併であることを実感しました。

買収元の社員は、勤務形態の変更や仕事の裁量が増したことを好意的に受け止める人と、従来のやり方を否定されたように感じで不満を募らせる人に分かれましたが、新人事制度制定の背景を回数を重ねて丁寧に説明することや、ワークショップ通じて、なぜ働き方やマインドセットを変更しなければならないのかを考えてもらう機会を提供することで、徐々に理解を得ることができました。

結果として、二社の文化の良いところを継承した組織文化の醸成に成功しました。

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