クラフトフーズの組織統合に伴う企業文化変革と業務プロセス合理化

組織風土

テーマ 組織風土
企業 情報通信業
米国最大の食品・飲料メーカーであるクラフトフーズでは、複数の事業部門を統一し、社員のスキルの向上と仕事に対する意識計画を行い、現場の社員主導で業務プロセスの効率化やコスト削減を実現しました。

1.背景

米国最大の食品メーカーであるクラフトフーズは、買収によって規模を拡大してきましたが、1995年にグループ各社の統合を行いました。

統合時の同社は、全米に社員37,500名、小売営業部隊3,000名、50の製造工場、14の地域配送センター、カナダに12の製造工場、4の地域配送センターを有していました。

「北米で最高の食品・飲料会社となる」という同社のミッションのために、同社はさらに利益率の高い体制を構築することが必要だという結論に達しました。

この目標のために、同社は事業ポートフォリオの見直しと、各事業をひとつの会社に統合してプロセスの合理化を図り、生産と販売コストを削減するための取組みを行うことにしました。

2.取り組み内容

クラフトフーズは、組織開発のターゲットとして、次の3つを設定しました。
1.業務プロセスの再設計
2.現場スタッフへの権限委譲
3.社員が自発的にプロセス改善に取り組む風土の醸成

同社は、各工場に所属する社員の中から、業務に精通してい人材を「チャンピオン」を任命しました。また、取り組みを始める時期についての決定は各工場の裁量に委ねました。

チャンピオンは、本社所属の地域別のオーガニゼーションパフォーマンスマネージャーと協業して、工場内でプロジェクトを推進しました。プロジェクトの結果、工場内のプロセス改善を行うことで業務効率を高め、生産ラインで問題を発見した場合に生産ラインを止める権限を現場スタッフに持たせるなどの権限の見直しをおこないました。これによって、製造現場で適切な判断を行いコストを抑制して製品の品質を担保する体制を整えるとともに、マネージャーが戦略的な仕事に集中できる時間を創出することに成功しました。

また、社員にこれまでとは求められる仕事の内容が変化したことを理解してもらい、社員一人当たりの研修受講時間を従来よりも25時間増やすことで、付加価値の高い業務を行うためのスキル獲得の機会提供をおこないました。

3.導入結果

この取り組みの結果、クラフトフーズは5年間で、最終利益を年平均6.8%改善することに成功しました。さらに、各工場でチャンピオンを務めた社員は、この取り組みを通して成長し、外部コンサルタントの支援を得なくとも、チャンピオンが社内コンサルタントとなって、さらなるプロセス改善を進めることができるようになりました。

同社の組織開発の取り組みに対する成功事例の増加と、社員の組織開発への重要度に対する理解が深まったことも、モニタリングすることができます。
これは、同社が毎年実施する、プロジェクトリーダー、人事、製造工場や本社の管理職、地域担当の副社長が出席する、各工場のベストプラクティスを共有する組織開発会議への参加者数から明白です。

1998年には92人だった参加者が、翌年の1999年には2倍の185人に増加しました。これは、会議で共有できるベストプラクティス、すなわち成功事例が増加したことと、社員が組織空き初の取り組みを重要と考え、そのために時間を割くようになったことの表れです。


参考資料:
http://www.kraftfoodsgroup.com
Louis Carter, David Giber and Marshall Goldsmith (eds) (2000), Best Practices in Organization Development and Change: Culture, Leadership, Retention, Performance, Coaching, Pfeiffer

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