変革への抵抗にどう対応するか?

組織風土

変化の起こるところには、必ず抵抗が生じます。ビジネスは変化の連続ですが、変化の実に65%は、失敗に終わっているという調査結果があります。 なぜ、人は変化に抵抗するのでしょうか。その抵抗を取り除くためには、何をすればよいのでしょうか。

仕事をする上で、生活をする上で、何らかの変化は日々起こっています。
人事異動、職場のレイアウト変更、新しいPCソフトの導入、通勤電車のダイヤ改正、スケジュール共有方法がホワイトボードからメールスケジューラーへ...「嫌だな」と思った経験はありませんか?
このような小さな変化でも抵抗感を感じるのですから、大規模な業務プロセス変更や組織変更に対して抵抗するのは、当然なのかもしれません。

人は、なぜ変化に抵抗するのでしょう。理由は以下のものです。

  • 「変化」したことで、過去に何らかの嫌な経験をしたことがある
  • この前「変化」があったばかりで、やっと落ち着いたばかり
  • 「変化」の目指しているものが大きな話すぎて、ぴんとこない
  • 「変化」の結果、どんなよいことがあるのか見えない
  • なぜ「変化」しなければならないのかがわからない
  • 「変化」の中で、自分はどうなるのか、何をすればいいのかわからない
  • 理屈抜きでとにかく変化することは嫌だ
  • 理屈抜きでとにかく変化することは嫌だ

このような抵抗感を感じながらも、人が変化を受け入れるまでには、5段階の心の動きがあるという研究結果があります。


第1段階  否定
「そんなことは起こらないから大丈夫」と自分に言い聞かせる

第2段階  怒り
本当に変化が起きたことに対して怒りを感じる

第3段階  分析
これから起こる変化を予測し、対応について考えを巡らす

第4段階  受容する努力
現実として受け止め、適応することを試みる

第5段階  コミットメントと成長
変化の良い点を見出し、前向きになる

小さな変化であれば、時間の経過につれて、第3段階から第4、第5段階に進んでいくものです。
しかし、自分の仕事や生活に大きな影響を及ぼすような変化については、第3段階で抵抗がさらに大きくなってしまい、先の段階になかなか進まずに、変化の試みそのものが頓挫してしまうことがほとんどです。


では、どのようなことをすればよいのでしょうか。
段階毎に解説します。

第1段階  否定
どんな変化が起こるのか、なぜ変化しなければならないのか、についての情報を提供します。
そして、個人が変化に適応するためにどんなことをすればよいのかについてのアドバイスを行います。ワークショップやイントラネット・メールでの質問受付等、各人が不安や疑問に思っていることについての情報を提供する機会を設けることも有効です。

第2段階  怒り
変化に対する感情を受け止め、不安や怒りに対して耳を傾けます。「会社の決定だから」、「生き残りのためには変化は避けられない」などと、説得しようとすることは逆効果です。変化に対する抵抗は、理屈では説明できないものです。上司や推進担当者との一対一の面談やコーチング導入も効果的です。じっくりと話を聞いて、抵抗を取り除くために次の打ち手を考えます。

第3段階  分析
これから起こることのよい面に着目できるような、サポートを行います。変化することの良さを「売り込む」ことはせず、各人が状況分析できるような「事実」を提供しましょう。最初に説明した全体像から、もう少し詳細な個別情報を提供していきます。

第4段階  受容する努力
変化の成功や進捗についてのSMARTなゴールを設定し、上司や推進担当者が日々の業務でのコーチングを通じて、ゴールに照らして「変化」のよい側面に着目してもらうようにしましょう。変化した組織や仕事で必要になるスキル獲得のための研修を実施する等、適合できるかどうかに対する不安を取り除く努力をおこないましょう。通常業務に加えて変化のためのプロジェクトなどに携わる社員には、報奨を行うなどしてモチベーション付けを行いましょう。

第5段階  コミットメントと成長
変化に伴うよい効果が見えてくるころです。変化に適応して成果を挙げたチームや個人の例を社内に紹介したり、褒賞したりして、変化と成功を組織全体で祝福する風土を醸成します。長期ゴールを示し、さらなる成長に対するモチベーションを与えます。

変化を推進するためのリーダーの役割は、小さな島で火事を見つけた時にリーダーがとるべき行動に例えることができます。

  • 小さな島で木から煙が立ち上っていることをいち早く発見し=状況と変化の必要性を先読みし
  • 隣の島に渡らなければ助からないことを説明し=変化の必要性と変化できなかった場合の姿を示し
  • 住み慣れた島を離れることを躊躇したり、悲しんだりする人々の気持ちに寄り添い励まし =変化への抵抗や不安を受け止めて励まし
  • 隣の島への渡る方法を教え=サポートの提供
  • 全員無事で隣の島で生活を始めたことを祝う=褒賞する

>>参考リンク:組織開発導入のポイント 変化需要までの5段階