日本型雇用におけるタレントマネジメント

企業 日本IBM
新卒採用と長期雇用を前提した組織において、タレントマネジメントがうまく機能し、組織全体の活性化に繋がっている事例です。

1.背景

同社は外資系企業の日本法人ですが、社員のほとんどは新卒採用という日本企業と同様の環境です。IBMのグローバル共通プログラムと日本法人特有の課題への対応するしくみの両方をうまく取り入れたタレントマネジメントを行っています。

2.取り組み内容

同社では、入社から約10年をタレントを特定する時期と捉えています。

会社への貢献度が高く、リーダーとしてのポテンシャルが高いと判断されたタレントは、早期に昇進させて、スピード感のある成長の機会を与えます。また、次のステップに進むためのギャップを特定し、それを埋めるための研修への参加や地域や機能を越えたアサインメントを提供します。

同社ではタレントを、グローバルで活躍できる人材と定義しています。日本では特にグローバルという視点でのタレントが不足しがちなため、国外でのアサインメントやプロジェクトにアサインし、外国語でのコミュニケーションとグローバルでのネットワークを広げる機会をタレントに対し、積極的に提供します。タレントはアサインメントを通じて海外のツールや事例を持ち込み、日本法人に貢献するというしくみになっています。

同社では、上司やリーダーのミッションは、ビジネスでの成果を出すことと、タレント育成の2つとし、それらの比重は同等としています。重要なポジションが空席になった場合に、誰をアサインするのかについて、候補者の能力や将来の可能性を共有しながら常に議論しています。

毎年の評価の際に、全社員は、自分の目指す役割やそこに至るスピードについて、納得するまで上司と話し合いを行います。全ての社員がグローバルでの要職を志向している訳ではなく、自分が目指したいキャリアパスを歩んでいるので、一部のタレントが早期に昇進することによる不公平感はありません。
会社としても、優秀な人材をどんどん引き上げていくことが社員全体の底上げに繋がり、結果として、全社員のレベルアップに繋がると考えています。

3.導入結果

日本法人の歴史が長いこと(1937年設立)、新卒採用や長期雇用など、日本の雇用慣行を取り入れた人事運用を行う中で、グローバルに活躍できる人材を輩出し、組織の中で一部の社員の早期昇進も受け入れられる企業風土を作っています。

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